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ゆう・YOU・友 活動レポート

yuu-you-yuu activity report

2003年度 活動報告

ご挨拶 -- 今年一年を振り返って --  代表 相川 冨哉

 今の社会に様々な生きづらさを感じながら、それでも生きていく子どもたちからの声を聴き、

一緒に考える大人6名が活動を始めて、まもなく満2年になります。

 私たちは大人の常識・価値観を廃し、説教や思い込みで話すことなく、どれだけ子どもの思いを

受け止める事ができただろうと常に感じています。

 電話の中で、これができた時、子どもたちは素直に「あっそうか、ありがとう」と言ってくれます。

 みんな自分なりの解決法を持っています。そのことに気がつくまで、ずっとつきあえるように

常設でこの電話を続けます。

 子どもの電話 ゆう・YOU・友とは? 

三鷹を拠点にして、チャイルドラインを開設している団体です。

チャイルドラインとは、子どものための子ども専用ヘルプラインのこと。
「どんなことでも良い。かけたくなったらかけて、切りたくなったら切っても良い」

子ども主体の電話です。

多摩地域に住んでいる仲間で、チャイルドライン支援センターの全国キャンペーンなどに参加しながら

実績を積み、一昨年の9月に常設電話を始めました。
毎週月曜日の午後5時~9時に、チャイルドラインを開設しています。

 電話の件数、内訳 

●509件の電話をうけました
 キャンペーンのフリーダイヤルは大きな威力を

 発揮しました。

●小学生の女子が全体の半分以上(不明を覗く)
 内容としては学校関係が半分以上(その他を除く)
 年齢が上がるに従い、内容は学校関係から自分自身へと

 移ります。

 受けた電話のなかで特徴的な内容(事例) 

 「どんな電話がかかってくるの?」という一般の方の疑問に答え

大まかなイメージを持ってもらえればとこのコーナーを設けました。
「誰にも言わないよ」という公約、プライバシー保護の観点から、

具体的な内容や固有名詞は載せず、内容を加工・改変してあります。

☆ 友達とケンカした。仲直りしたいけど、どうしたらいいか教えてください。
★ 昨日まで、仲良しだったのに、突然話してくれないの。
☆ お母さんに言うと、話が大きくなるから相談しない。
★ 私たちが体育で着替えをしている最中に、先生が窓からのぞいている。すごく嫌なの。
☆ あの~、ここではどんな話でもいいんですか?(・・・・こんな出だしで、性の相談へと続く)
★ 学校の先生が、障害を持っている友達をバカにするのがつらい。
☆ 明日、お父さんとサッカーのゲームを見に行くんだ。うれしい。
★ お母さんにほめてもらうには、どうしても100点取らなきゃ。
☆ バレエの発表会に向けて毎日練習している。トウシューズが履きたくて、つらいけど続けている。
★ ねえ、今日はこんなことがあったんだよ。(・・・一日の出来事を話してくれた)
☆ 友達の両親がもうすぐ離婚して、そのともだちはどちらかに引き取られるんだって。

子どもはちょっとした引っかかりに戸惑い、答えを見つけようとします。

それを放っておくと、大きな出来事へと変化する可能性もありますが、

受け手と話をすることで、不安がシャボン玉のように消えてしまう事もあります。

そんな子どもの気持ちの揺れに、受け手として真剣に向き合っていきたいと思います。

 電話を通して見えてきた子どもの痛み 

「言ってもわかってもらえない」

「だまっていればうまくいくから」

「わたしさえ、がまんしていれば」

「さみしい」

「つかれる」
 これは、実際に電話から聞こえてくる子どもの言葉です。

「こんな言葉を子どもが・・・本当に口にするの・・」私の子どもに対する認識がくずれました、

というより、今までは頭でわかっていただけなのです。
 好奇に目をかがやかせ、伸び伸びその子らしくあるべき子どもが、今本当につかれているのです。

それでも尚、大人の期待に応えようと優しくなんの力もない子どもはけなげに頑張っているのです。

その切なさが電話を通して伝わり、たまらない気持ちになります。
 私たち大人はそんな子どもが多くいるという事をきちんと認識し、

なぜ子どもにそんな言葉を言わせてしまうのか、真剣に振り返らねばと思います。

 活動を振り返って 

 常設されて1年半、子どもの電話ゆう・YOU・友は、様々な子どもからの電話を受けてきました。

特にキャンペーンなどで、小中学校にカードを配布できた時は子どもたちから大きな反響があり、

電話はひっきりなしにかかります。

子どもたちにとって、信頼できる大人の存在は必要です。

しかし、信頼できる大人の存在が身近にいないと感じているのが、今の子どもたちの現実です。

そんな中で、私たちは子どもたちに信頼してもらえる大人を目指して活動をしています。
 活動を続ける中で「子どもの電話ゆう・YOU・友は信頼できる」と感じてもらうために何ができるのか?

子どもたちにどう伝えるか?それが大きな課題です。

確かにカードも学校を経由すると大きな反響があるという一方で、そのほとんどが小学生です。

思春期の揺れる心を中学生はどこで、誰に話しているのでしょうか・・・。

こんな風に、まだまだ発展途上の子どもの電話ゆう・YOU・友ですが、

今後とも子どもたちに信頼されるように地道に続けていこうと思っています。

 収支計算書 2003年度 (2003年4月1日~2004年3月31日) 

寄付金を下さった方々、ご協力有り難うございました。
お金は通信費などに使わせていただきました。

寄付金

980

学習会参加費

4500

利息

1

会費

72000

 

 

  

  

収入合計

77481

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通信費

5036

事務所費

31000

支援センター会費

20000

学習会費

3400

消耗品

10876

雑費

7140

支出合計

77452

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当期支出差額

29

前期繰越収支差額

12825

次期繰越収支差額

12834

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収入の部

支出の部

 寄付・お世話になった皆様へ 

2002年9月から子どもの電話 ゆう・YOU・友 を常設しました。

その後6人しかいないメンバーにもいろいろなことがあり「年年歳々人同じからず」(代悲白頭翁)の

漢詩が胸に染みるような一年半でした。

今の子どもたちが置かれている状況は、決して安心できるものではありません。

しかし、私たちの活動が子どもたちにとって、土・水・光となり、子ども自身の力で

「世界に1つだけの花」を咲かせることができれば・・・と願いながら、

子どもの電話 ゆう・YOU・友 を続けてきました。

そして、私たちも活動を支えてくださった皆様のおかげで小さな歩みかもしれませんが、

ここまで来る事ができました。

本当に有り難うございました。これからも宜しくお願いいたします。

 主な協力者・ネットワーク 

・特定非営利活動法人    むさしの子ども劇場 (協力関係)
・特定非営利活動法人    チャイルドライン支援センター (会員)
・田村 毅さん      (東京学芸大学教育部生活科学科助教授)
・寺出 壽美子さん    (日本子どもソーシャルワーク協会理事長)
・(株)ファミリーマート (府中エリア)
・立川市教育委員会     他

常設電話の活動(原則として2名以上の受け手が待機)

週1日(毎週月曜日)、17~21時の4時間
開設時間は1年間合計で208時間(4時間×52週)に達しました

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